『ドラゴンボールZ』の「Z」とは何か&『ドラゴンボールGT』の「GT」とは何か?完全版 | 語源blog

『ドラゴンボールZ』の「Z」とは何か&『ドラゴンボールGT』の「GT」とは何か?完全版

 いやー、1ヶ月以上前に「明日から更新頑張ります」とか書いたような気もするのですが、その次の日から今日まで連日15時間労働でネットどころじゃなかったよ(しかも、その間の休日は2日のみ……)

 そんな訳で、mixi見てない皆様はお久しぶりです。どうにかビッグな仕事が終わり、ボチボチ更新できるかも~、みたいな状態に回復した次第の雰囲気でありますよ。ってことで、去年のように1日1更新、みたいなぺースは不可能ですが(大きな仕事は終わったとはいえ、まだ絶賛激務中)、週に数回更新ぐらいのペースでボチボチやっていこうかと思う次第。

 ま、そんな感じなのですが、今日は久々なので幾つかポストしてみよっかな~、みたいな。

 んで、最初のネタなのですが、だいぶ前に書いた「『ドラゴンボールZ』のZとは何か?」の完全版として、「Z」とか「GT」の真相を探っていく方向で。


 で、まずは「Z」の方なのですが、前回ネタにした『テレビアニメ完全ガイド ドラゴンボールZ 孫悟空伝説』(集英社)を実際に読んでみました。ってことで、その本に収録されている座談会から、鳥山先生の「Z」に関する発言を抜粋させていただくと……


(前略)

-- 『ドラゴンボールZ』というタイトルは先生の発案と聞きましたが。

鳥山 あ、そうですね。

-- ウワサで、「Z」が名前につく精力剤からタイトルをつけた、って聞いたんですが。

鳥山 違いますよ~(笑)。「Z」はアルファベットの最後の文字じゃないですか。で、当時からもう、本当に原作を終わらせたくて(笑)、だから「これでもうおしまいだよ~」って意味でタイトルは「Z」にしたんですよ。精力剤なんて、一言も言った覚えないですよー、もーウワサっていい加減だなぁ(笑)。

中鶴 「Z」以外には何かイメージしてました?

鳥山 いや、なかったんじゃないかな。僕自身は「別にタイトル変えなくてもいいんじゃないか」って思っていたんですけど、アニメのスタッフの方から「イメージチェンジをしたい」という要望があったんで「それもいいかな」って感じで。

(以下略)


 ってな感じだそうで。ま、以上の発言の要点をまとめると……


・鳥山先生的には、「別にタイトル変えなくてもいいけど、スタッフが変えろって言うなら変えてもいいか」みたいな感じだった
・ってことで、「イメージチェンジしたい」とのアニメのスタッフの要望に応え、『ドラゴンボールZ』というタイトルを提案
・「Z」には鳥山先生の「ドラゴンボールはもういいだろう」という投げやりな想いが込められている
・一部で広く流布していた「精力剤説」はガセネタと本人が断言



とか、そんな感じでしょうか。鳥山先生的には、けっこうアバウトに付けた名前っぽいことがよく分かりますよね(笑)。


 ところが、同書の後半に載っている「『ドラゴンボールZ』大百科」みたいなコーナーによると……


「ドラゴンボール」に「Z」をつけるというアイデアは鳥山先生が出したもので、その力強さと言いやすさから正式タイトルに決定した


などと、鳥山先生の発言とは180度違う内容が堂々と……。製作スタッフ、同じ本に載っている鳥山先生の発言くらいはチェックしておこうよ、とかツッコミを入れたい気分でいっぱいですよ(笑)。


 ちなみに、その後には「なぜアニメスタッフが『ドラゴンボール』から『ドラゴンボールZ』にタイトルを変えたかったか」についても載っていたので、要点を抜粋させていただくと……


・新番組扱いにして、新たに認知してもらえるチャンスを増やす
・番組協力企業(新たにスポンサー)の獲得
・周辺環境の構築で次のステップへ進む



みたいな感じだそうで。この中でも、重要なのは「新番組扱いにして、新たに認知してもらえる点」でしょうか。“中身がほぼ一緒でも、新番組にしてしまえばテレビ雑誌で大きめに扱ってもらえる”という発見は、後に数多くの番組に影響を与えましたよね。


 あ、今、思い出したのですが、一時期(最近は読んでないのでよく知らん)『週刊少年マガジン』編集部は

・消費者の購買意欲の増大(あるマンガが「全50巻」とかだと金銭的負担が大きく感じるが、「××編10巻」「○○編10巻」だと負担が少なそうに感じる)
・書店での売り場面積の確保(特に完結したマンガで、全部で30巻分あるマンガの後半10話分でも、「21巻~30巻」よりは「××編の1巻から10巻」の方が置いてもらいやすい)



などの理由により、長編になりつつあるマンガの単行本を「××編」などと区切って、ある程度までいったら巻数を1に戻す戦略を取っていましたよね(ちなみに、この単行本戦略を考案したのは『MMR』でおなじみのキバヤシ氏らしい)。もしかしたら、この戦略の元ネタになったのはこの「『ドラゴンボール』に“Z”をつけて新番組扱い」だったのかなぁ?なんて思ったり。


 ま、話がずれてしまいましたが、この鳥山先生が投げやりに付けた「Z」に

・「Z」は究極を意味する(アニメ版放映開始時のあおり文句)
・「(アニメとして)同じことの繰り返しにならないように、前作よりももっと進化した作品にしよう」ということで、『DRAGONBALL』じゃなく、『DRAGONBALL Z』にした(『ドラゴンボールDVDボックスVol.1』より・みそちるさんからの情報)

 など、いろんな意味が後付で付けられた、というのが真相かな?



 で、続いては『ドラゴンボールGT』なのですが、こちらは『ドラゴンボールGTパーフェクトファイル』(集英社)から抜粋させていただくと


タイトルの『GT』のイミは?

ズバリ「グレート・ツーリング(壮大な旅、という意味!!)だ!!だが、他にも「ギャラクシー・ツーリング(銀河の旅)」などの意味も含んでいるのだ。



 ってな感じだそうです。ネットでは「グレート・ツーリング」説、「ギャラクシー・ツーリング」説半々だったのですが、公式見解的には「どっちもアリってな感じだったっぽいですね。

 まぁ、個人的にはtahahaさんにコメントをいただいた「企画段階では“悟天とトランクスが主人公”だったから、2人のイニシャルからGT」で、グレートツーリングなどは後付け、ってのがもっとも真相に近い気がするなぁ。