SPAMとは何か? | 語源blog

SPAMとは何か?

 
 で、先週中盤までは風邪が全然治らず今月2度目のゴールデンウィークモード(ただし、その大半は睡眠)、復活してからはその反動で日々是プログラミングな感じの今日この頃。単行本出たのに全然できずにスマンですよ。

 とか、そんな感じですが、

・病気でダウン中にアダルトショップの店長日記 さんの「アダルトビデオ・バカタイトルTOP10 」に触発されて、「全日本珍名ラブホテルベスト200 」の2005年版の製作でもしよっかな~、とか思った

・部屋を掃除していたら、ちょっと前に大宅壮一文庫で調査してきた歴代の劇レア世相ブラの記事のコピーが発掘されたので、「トリンプ・バカブラジャー列伝 」の完全版を作成しよっかな~、とか思った

・単行本版『語源ブログ』を紹介してくれたページの管理人さんの何人かが「最近はSite K4の更新がないのが残念」などと書いてくださった


 などの点から、ボチボチ旧Site K4系のコンテンツも更新再開しよっかな、みたいな気分です。ま、「Site K4」+「語源blog」で週数回ってな感じのヘタレな更新ペースとは思いますが、超大昔からの読者さんはお楽しみに、ってな感じで。特にトリンプのヤツは、スキャナの設定CD-ROMが発掘されたらすぐやりますです。

 とか、そんな感じですが、今日は、昨年の年末くらいに「パソコンを買い換えたらネタにしよう(当時のパソコンは壊れていて音が出なかった)」とか思っていたものの、すっかり忘れていた「迷惑メールなどを意味するspam」の由来について扱ってみよう!とか思った。

 ま、なんで「音が鳴るパソコンを買ったら紹介しよう!」とか思っていたかというと、どうせspamをネタにするなら、spamの由来になったとされる

イギリスのコメディ番組・『Monty Python's Flying Circus』の中1エピソードの中で、バイキングたちが豚肉の缶詰(SPAM)を注文する時に歌った『SPAM SONG』(‘SPAM、SPAM…’と繰り返し歌いまくる)

を実際に聞かねば!とか思っていたからでありますよ。で、先ほど、こちらのページ で聞いてみたのですが……うん、確かにしつこいなぁ。ま、一聴の価値はあると思うので、興味のある方は聞いてみてくださいな。

 で、なぜこの『SPAM SONG』にちなみ、迷惑メールなどが「spam」と呼ばれるようになったのか?なのですが……

 これ、「迷惑メールのしつこさが、『SPAM SONG』のしつこさとと結びついた」みたいな感じになっている用語集もあったりするのですが……実は「コンピュータの世界における迷惑行為」を意味するspamという用語は、元々は電子メールではなく、チャット(のようなもの)から使われ始めたらしいのです。

 詳しくは「Origin of the term "spam" to mean net abuse 」という英語のページを各自読んでいただきたい……という訳にもいかんでしょうから、要点をアバウトに訳すと

1980年代に、チャットなどできる "MUD" communityというネットワークシステムがあった。そのシステムにおいては、ユーザーがおこなう2つの行為に対し、‘spam’という言葉が使われるようになった。その2つの行為とは

1・大量のデータを送りつけて、コンピュータをクラッシュさせてしまうこと

2・機械的に大量のテキストを生成し、チャットを押し流したり、ニュースグループに同じ内容の投稿を続けること

であった。この時点では、いわゆる迷惑メールに対してはspamという言葉は使われていなかった(1978年にarpaneetで最初の大規模な無差別宣伝メールが送られて 以来、何度も大量のジャンクメールが送られ、問題になってはいたのだが)。

 で、時はたち1994年、インターネットに投稿された「U.S. Green Card Lottery.」という無差別宣伝メール が問題となり、このメールに対し「spam」という表現が用いられた。このメール以降、迷惑メールも‘spam’と表現することが急激に広まった


 とか、そんな感じらしいのですよ。つまり、spamは元々「迷惑メール」ではなく、「チャットなどでの迷惑行為」という意味で使われ始めたっぽいのですね。で、なぜ"MUD" communityの中で、これらの迷惑行為を「SPAM」と呼ぶようになったかというと

ある人物が、チャットに自動的に「SPAM SPAM SPAM……」と打ち込み、画面を‘SPAM’まみれにするマクロを組んでコミュニティに迷惑をかけたという事件があった。この事件にちなんで、大量データによるチャット流しやマシンクラッシュを‘SPAM’と呼ぶようになった

などという説もあるのですが(ここ とかここ 参考)、これが本当だとすると、全然『モンティパイソン』と関係ない可能性が…(ま、この説は真偽不明なので、何ともいえないけど)

 ま、他にもいくつか説があるっぽいのですが、他の説はあまり面白くなさげなのでムリヤリまとめると「‘萌え’同様、新しげな言葉でも由来がハッキリしないのは、日本もアッチも同じっぽいね」ってな感じで。